2012年4月13日金曜日

犬の発達行動学


犬の発達行動学

今回から、犬の発達行動学についてお話していきます。どういう経過をたどって犬はいろいろなことを学習していくのでしょうか。うまれたばかりの赤ちゃんからお話をはじめましょう。

生まれたばかりから約2週間までの間を「新生児期」と呼びます。この時期はまだ、目も開いていませんし、耳も開いてはいません。ですか嗅覚と温度感覚だけは備わっているのです。それはお母さん犬を本能で感じるためなのです。うまれたばかりの仔犬は自分で体温の調節がうまくできません。ですから「暖かいもの」がないとすぐに体温が下がって死んでしまうのです。また、母乳を飲むことで抵抗力や栄養を取らなけれ ば同じく死んでしまいます。ですから、お母さん犬の乳首をさがすために嗅覚は備わっているのです。。そして、発声も重要なポイントです。仔犬は「ミーミー」と声を出します。これは自分が空腹であること、寒いこと、他の仔犬の下敷きになっているということをアピールするために行います。生きるのに必死なんですね。また、生まれたばかりの子犬には独特な「反射」も備わっています。生まれたてでは「屈筋反射」という反射があります。これは首の後ろをつかんだ時に体を丸めてしまうというもの。そして、4〜5日経つと、それとは逆に「伸筋反射」に変化します。これは首の後ろをつかむとぐっと手足を伸ば反射です。これにより生まれたばかりか、1週間程度経過しているかがわかることになります。これもお母さん犬� ��運ばれるために必要な反射なんでしょうか。これらのことからも「新生児期」は完全に、「お母さん犬に依存している時期」といえます。つまり、お母さん犬あるいはそれに代わり固体がいなければ死んでしまうという時期なのです。また、この時期はうんちやオシッコなどの排泄も自分ではコントロールができません。ですからお母さん犬は陰部や肛門を舐めて刺激を与えることで仔犬達の排泄をうながすのです。そして、出た排泄物を食べてしまいます。これは巣穴を清潔に保つということから、また、外敵に仔犬の存在を知られないようにしておくために必要なことなのです。
人間の家庭で仔犬を生んでいれば、お母さん犬は自分の餌にたいする心配はありませんが、野良犬では自分の食事をそっちのけでも� ��この時期は仔犬を育てていくのです。
まさに、「母は強し」なのです。
もし、目も開いていない仔犬を拾ってきたら、お母さん犬の役割を全て人間が行わなければなりません。大変なことです。
そして、2週間が過ぎていくころになると「移行期」という時期にはいります。
このお話は次回に!

今回は「移行期」について。
この「移行期」たった1週間程度しかありません。つまり、
生後2週間から3週間くらいまでのことを指します。この時期がなぜ「移行期」と呼ばれるかというと、新生児期にはお母さん犬に完全に依存していたのですが、ここから多少独立して生活していくことを学んでいくからです。またそれにあわせて体も変化します。まず、耳� ��穴が開きます。生まれたばかりの状態では、耳の穴は閉じています。これが開くということで音のなっている方向へ、移動できるようになるのです。また、この時期になると目も開いてきます。これにより、視覚が発達し色や形などの認識ができるようになっていきます。そして、筋肉も発達していきます。つまり手足を動かして、体を前後に進むことができるようになっていきます。つまり、神経的にも、筋肉的にも発達が進む時期なのです。だから「移行期」と名づけられているのだと思います。
と、いうことは目が開いている、耳が開いているということで生後2〜3週であることがわかるということですね。

ですがこの時期、多少独立はしているものの、まだまだお母さん犬やそれに代� ��る個体の存在が大きな役割を果たしていますので、注意が必要です。離乳もまだできません。ミルクが必要です。もし目が開いていて、耳も開いているけど、小さい子犬を拾ったりした時は、暖かくしてあげて犬用のミルクを飲ませてあげてください。まだ1匹で長い時間留守番することなど到底できませんから、気をつけてくださいね。

この「移行期」の後、大変重要な「社会化期」がやってきます。なぜ、この「社会化期」が重要だといわれるのでしょうか?社会化期にうまく教えられないと、もう絶対ダメなのでしょうか?
社会化期の不思議は次回に

前回は移行期についてでした。さぁここから大事な「社会化期」についてのお話です。
犬の社会化期は様々な説がありますが、だい� �い生後3週間から12週間くらいまでとされています。ですから、生まれて3ヶ月くらいまでと覚えてもらうとわかりやすいかもしれません。ではこの時期にどのような変化がでてくるのでしょうか? まず、この時期くらいから母犬から独立して生活できるようになっていきます。感覚器も発達し、筋肉や骨の発達もおこなわれていきます。そしてもっとも重要なの変化は、脊髄や脳の神経細胞に変化が現れるのです。それは「髄鞘(ずいしょう)」と呼ばれる組織が神経細胞にできあがります。これは神経の伝達速度を飛躍的にあげる貴重な組織です。これにより、様々なことを学習し、記憶していくのです。人間ではよく「三つ子の魂百まで」といわれます。これは3歳くらいで経験したことは100歳になって� ��忘れないということですが、この理由は、人間では3歳くらいになってこの髄鞘ができあがるからなんです。こう考えると、この時期は良いことも悪いこともどんどん覚えていくということになりますね。ですから、良い経験をどのくらいさせるかということが非常に重要なんです。また、この社会化期にはもう一つの側面もあります。生後8週間、つまりだいたい2ヶ月くらいから、恐怖や不安の感情が芽生えてくるということです。これは仔犬を使った実験からわかりました。生後7週まで仔犬を、何も刺激を与えない部屋に(餌やお水、トイレの世話程度)入れておいて、急に刺激の多い部屋にいれると、危険なこともわからずに、なんでも興味が出て危ない目に何度もあってしまった。また、生後14週まで人間ともあ� ��せないで育てていくと、人間を怖がりまったく近寄らず、訓練することもできなかったそうです。
ここから、生後8週くらいまでは興味が非常に強く、その後恐怖や不安の感情が出てくると考えられました。ですから、生後2ヶ月過ぎの仔犬に対し、体罰を中心とした、しつけをしていくことはあまりよくないということもわかります。
これが犬の社会化期の不思議なんです。動物ってきちんと理由があって発達してくることがよくわかります。このことを理解するとどのように教えてあげると一番効果的なのかということも予想がつけやすくなりますね。
発達行動のお話はまだつづきます。

前回の社会化期のお話で、いかにこの時期が大切なのかということを理解していただいたと思います。では、3ヶ月を過ぎた仔犬� ��どのように発達していくのでしょうか。社会化期の次に来るのが「若年期」という時期です。これは個体が性的に成熟するまでを指します。そうすると犬種によってこの時期が変るということになりますね。小型、中型の犬種であればだいたい生後半年くらいで性的に成熟しますが、大型や超大型の犬種では1年や1年半かけて大きくなり、性的に成熟します。
この時期の特徴はなんでしょうか?それは、「自分でとるべき行動を自分で決めるようになって来る時期」といわれています。つまりこの時期くらいになって、複雑な仕事を少しずつ覚えていったり、飼い主に対して「挑戦」的な態度をとってみたりしてくる時期といえます。これにより、「自分がこういう態度をとれば、周りはこう動くんだぁ 」と学習していくのです。ですから、しっかりとした服従の訓練や、多少の「罰」もこの時期に入ってから教える方がうまくいくということになるんです。そして、体力もどんどんついてくるので、運動量も増やす必要があるし、脳もどんどん発達していくので次々に新しいことや、難しいことにトライさせて、レベルアップしていく必要もあります。ですが、ここで注意しなければならないことがあります。まず、集中力について。体が大きくなって、脳も発達するといってもまだまだ集中力は少ないので、トレーニングの時間は短い方が効果的です。また、運動が必要といっても骨の成長も著しいので、あまりに過激な運動は避けましょう。ディスクを30分続けておこなったり、自転車での引き運動を長時間行う� �とはやめてください。
この若年期がすぎて、性的に成熟すると、「成犬」となるのです。
駆け足で観てきましたが、これが犬の発達行動です。
次回からはこの発達行動に即した効果的なしつけについてお話します。
お楽しみに。


犬の方法、さまざまな品種がありますが

今回から、発達行動学に即した、効果的なしつけについてお話していこうと思います。
前回までにお話したとおり、犬の発達行動には様々なステージが存在しています。皆さんが初めてワンちゃんを飼おうと思った時に、当然ペットショップや管理センターなどに行って探すと思うのですが、ここで思い出して欲しいのは犬種のこと。過去のコラムを参考にしていただいて、まず、自分の家庭や、ライフスタイルにあった犬種を選ぶようにしてください。そうじゃなく「見た目」や「流行」などで犬種を選んでしまうと、思っていたような楽しいワンちゃんとの生活が送れなくなることもあるかもしれません。犬種選びは非常に重要なポイン トです。
犬種が決まって、おうちに迎えることができるようになったらまず環境から作っていきましょう。必要なものはサークル、キャリーケース、トイレシート、水入れ、エサ入れ、おもちゃ。これくらいはワンちゃんが来る前に用意してください。サークルの中にキャリーケースを入れて、その中に寝ることができるようにしてください。こうすることで、キャリーケースをいやがらなくなり、どこに行ってもキャリーケースがあれば安心できるようになります。また、サークル内のキャリーケース以外の場所は全てトイレシートを敷いておいてください。キャリーケースのすぐ側でも「トイレが空間として仕切られていること」で認識しやすくなります。ベッドのようなものやクッションだと空間と� �て仕切ることができないのと、暗くて狭い場所がないのでワンちゃんが安心して過ごすことができません。注意してください。そして、キャリーケースの側に、お水入れをおきましょう。お水いれやえさ入れの側では排泄しずらい傾向が、生後3ヶ月くらいになると出てくるので、こうしておく方が早くトイレを覚えていきます。
また、サークルを置く場所ですが、みんなが見えるところに設置してください。
ここまで、準備が整ったら、いよいよ仔犬を迎えましょう。皆さんが仔犬を迎える時には、だいたい生後2ヶ月くらいが一番多いのではないでしょうか?この時期は発達行動学でいうところの「社会化期」にあたります。つまり一番大切な時期を迎えているということになります。また、生後2ヶ月くらいから、< span>不安や恐怖といった感情がでてくることもわかっています。

では、次回からこの時期にどういうことを、どういうふうに教えていくと良いかをお話していきます。
発達行動学に基づいていろいろと仔犬に教えていくことを前回からお話しています。

さて、生後2ヶ月くらいで皆さんのおうちに来たワンちゃん。まず、その子がどういう態度を見せてくれるかを観察してみてください。初めておうちに来た日は(環境は前回にお話しました。それをそろえておいてください)、まずおうちの中(入って良いところだけ)を探検させてみましょう。あまりこちらからは声をかけたりしないで、ゆっくり見守ってあげてください。もし、こわがってケースから出てこないようであれば、無理にひっぱったりしない� �、自分から出てくるまで待ちましょう。あせりは禁物です。あと、仔犬を買うと必ずたくさんの人が見に来てしまうものですが、最初からだと、怖がってしまうかもしれません。やはりここはぐっと我慢して、おうちになれてくれるまで(おうちに来て2〜3日)は、怖がることは避けてください。というのも、生後2ヶ月くらいから、恐怖や不安といった感情が大きくなってくるので、この時期にたくさんの人が見に来たことで、恐怖を感じてしまうとその後、人になれてもらうトレーニングが入りづらくなってしまうからです。その子の性格をじっくり観察して、興味が強いのか、恐怖が強いのかを見極めることが大切です。この違いによって教え方が変ってしまうからです。興味が強い子は積極的にいろいろと教えてあげるこ とができます。しかし、自分でどんどん勝手に覚えていってしまうこともあります。そうすると、常に飼い主さんが仔犬に振り回されてしまうかもしれません。こういった傾向は、ゴールデンレトリバー、ジャックラッセル、コーギーなどに多いかもしれません。
また恐怖が強い子は無理をさせていろいろ教えてしまうとかえって怖がってしまうことがあるかもしれません。その子のペースを守って教えてあげるとすごくいろいろなことを覚えてくれるでしょう。こういった傾向はチワワ、パピヨン、ミニチュアダックス(興味が強い子もいます)などに多いように感じます。
あなたのおうちに来たワンちゃんはどっちのタイプでしょうか?おうちに来た日によく観察してみてください。はっきりしない子もいるでしょう。たとえば 興味をもっていたのに、なにかの音で急に怖くなったり、怖がっていてもどんどん興味をもっていたり。だいたいでけっこうです。その子がいったいどういう感覚で世界を感じているのかを、飼い主さんにも感じて欲しいのです。そうじゃないと仔犬の感情を無視して、教えていくことになるからです。
次回はさらに具体的な、お話になります。

社会化期のワンちゃんたちには、具体的にどのようにして教えてあげるとよいのでしょうか?前回に、この時期から恐怖と不安の感情が芽生えるといいました。ということは、飼い主さんから恐怖を与えるような教え方だと、かえって飼い主さんやその他の状況を怖がってしまうかもしれません。なので、生後3ヶ月程度までは、なるべく「怒らなくてもよい環境」をうま く整えておくことをオススメします。たとえば、かじられて困るものは下に置かない、コードなどは束ねて見えないところへ。タバコ、ライター、リモコン、携帯など、いたずらされて困るものも手の届かないところへ。ゴミ箱も蓋付きのものに変える。などなど。たいていこういったものをいたずらしたり、かじったりするので、怒ることになります。怒って「それをしてはいけない」と教えるのは、もう少し先のお話になります。この時期は、そういった環境をできるだけ少なくして、「どう行動をとったらよいか」を教えるようにしましょう。
まず、初めに「オスワリ」を教えてください。「2ヶ月の仔犬にオスワリ?」と思われる方も多いかと思いますが、大丈夫です。しっかりできますよ。まず、食べ物を持っ て(このときワンちゃんには食べ物をみせないでください)そっと鼻の前に持っていきましょう。このときにおいを嗅いできますから、そのまま食べ物を持った手をスゥーっと上に上げていきましょう。ワンちゃんの顔も上に向いてくるはずです。こうなると自然にお尻を落とす形になって、「オスワリ」の姿勢になります。このときお尻をチョンと押して、「オスワリ」の姿勢をとらせるようにしても良いです。ね、できたでしょう?そしたら手のひらを開いて、食べ物をすぐにあげてください。この「タイミング」がとても大切です。まだ、「マテ」はさせないでくださいね。「オスワリ」という言葉が、この姿勢なんだとワンちゃんが理解することが大切だからです。これを何回か繰り返していくと、簡単に「オスワリ」ができてし� ��います。たった2ヶ月ですが、もうこれくらいはできるんですよ。この「オスワリ」ができるようになったら、ケージから出す時、遊ぶ前、撫でる前、抱っこする前、などに必ず「オスワリ」をさせるようにしてみてください。「この人の言うことを聞いていると、とても楽しいことがたくさんやってくる」とワンちゃんが理解していくようになっていきます。
次回は、様々な刺激に慣れていくための方法を説明しますね。


どのくらいの速馬が実行できます。

社会化期のワンちゃんは様々なことを学んでいく時期です。そこで、この時期に「人間との生活」で聞こえる音や、見る物などに対して怖くないということを教えていきます。まずは音。今はCDショップなどで、ホームムービーなどを作る時に必要な「効果音」のCDが売られています。これを使って簡単に慣れてもらうことができます。効果音のCDの中には、雷、花火、トラック、バス、救急車、消防車などたくさんの音が入っています。これらを効果的に聞かせて慣れてもらうためにはある条件があります。それは、「音の聞こえてくる方向を、本物と同様にする」ということ。これ以外と無視されてしまうことが多いように思います。犬は人間よ りも聴覚が優れていることはご存知のとおりです。でも音に慣れてもらうときに、どうやらみなさんここを忘れてしまうようです。というのもテレビの音には反応しないのに、玄関先の音に反応するってことよくありますよね。これはテレビの音には集中しなくてもいいと犬が認識しているからです。つまり、テレビの音には慣れてしまっているということ。だから、このCDの練習をするときには、必ず本物の音が聞こえる所にプレーヤーを持っていかなければいけません。窓側や玄関など、ご自分の家のどこからその音が聞こえてくるのかを確かめてください。そして、もう一つ大切なのはその音の出所をわからないようにすることです。つまりプレーヤーは見られないほうがいいのです。もし見られてしまうと「プレ ーヤーから流れる音になれてしまうようになる」からです。違う部屋の窓側にプレーヤーを置くのが理想的ですが、プレーヤーに布などをかけたりしてもいいです。この2点に注意しながらさっそくはじめましょう。2ヶ月程度のワンちゃんはまだ、それが怖いものかどうかがわかっていません。ここでいきなり大きな音を出して「この音は怖い」と思ってしまっては、かえって逆効果。なので、最初は音を少し小さくしておいてください。窓の側で雷の音を小さくかけてみましょう。耳が動いていますか?震えたり、緊張している感じがあればさらに音を小さくしてください。そうでなければ、前回おこなった「オスワリ」をさせましょう。できたらご褒美のオヤツも忘れずに。必ず音がなっている時には、飼い主さんがいっしょにいて� ��オスワリ」をさせ、ご褒美を与えてください。こうすることでその音と良いことが結びついていき、怖いと感じることが少なくなっていきます。毎日聞かせていってください。時間は短くてもかまいません。毎日行うことが大切なんです。音の種類によっては聞こえる場所が違うかもしれません。プレーヤーを移動させることも必要です。そして少しずつ音を大きくしていってください。この音をを大きくするときには、「1日ずつ行う」ことが重要です。次の日になってこの練習をする時に音を大きくするようにしてください。
次回は「物」をうまく認識させる方法です。
すっかり、ごぶさたしてしまいました。ごめんなさい。

さて、今回は「」をうまく理解させていく方法についてです。「物?そん� ��の生活していれば自然にわかるようになるんじゃない?」って思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、だまっていても覚えていくことはできますが、「どう覚えたか」が重要なんです。例えばそれを「怖いもの」と覚えてしまったらどうでしょうか?生活の中にあるものに対して、つねに恐怖感を感じるということは、かなりのストレスになってしまいます。ですから、これから人間との生活の中で出会う「物」には「いい物」というふうに覚えてもらうことが必要になります。
では、その「物」とはいったいどんなものでしょうか?たとえば、掃除機、電気のコード、鉢植え、首輪、リード、スリッパ、などなど。ここで、この「物」を少し分類してみましょう。恐怖を感じさせてしまうもの、興味から口に入れてしまうも のの二つです。
まずは、恐怖を感じさせてしまうものから、考えましょう。生後2ヶ月を過ぎて、恐怖を感じやすくなっているワンちゃんにとって、「大きな音が鳴るもの」「体積が大きいもの」などは恐怖を感じさせてしまいます。これに該当する生活の中での「物」には「掃除機」「洗濯機」などがありますね。あと、柄の長いモップや、ほうきなども当てはまるかもしれません。こういった「物」に対してなれさせていくには、恐怖を感じさせないようにして教えていく必要があります。1度でも恐怖を感じてしまうと、それがトラウマ(心的外傷)となって、とれなくなってしまう可能性があります。実際にはどうすればよいでしょうか。まずは掃除機から。掃除機は大きな音がなって、しかも動くと いう動物にしてみれば、怖さの固まりのようです。ですから、掃除機の姿だけみせて(音は出さないようにして)、ワンちゃんに匂いなどを嗅がせましょう。そして、その側で「オスワリ」をさせておいしい食べ物を与えてください。食べることができれば、その状況を認識したと考えてよいでしょう。これができるようになったら、ワンちゃんからは少し離れたところで、スイッチを入れてください。音がなってきます。前回の音のトレーニングと同様にその音を聞きながら、怖くなりということを教えてあげてください。それができたら、すこしずつ掃除機を近づけていきましょう。誰かに協力してもらって、食べ物を与えてもらってください。一人でやるのはちょっと難しいですから。この方法と同様に洗濯機も教えていきましょう� ��まずは音が鳴っていない状態から。そして、実際に洗濯機を回してそれを遠くから見せて「オスワリ」で食べ物を与えます。少しずつ近づけて同じことを行ってください。ほうきやモップも動かさずにその側で「オスワリ」をさせて食べ物を与えるようにして、少しずつ動かしましょう。

次回は興味から口に入れてしまうものについてです。お楽しみに。
では、次に興味から口にいれてしまうものについて、どのように対処していくのがいいのでしょう?生後2ヶ月くらいの仔犬は、恐怖や不安ももちろん感じていく時期ではありますが、様々なものにも興味をもっていくようになっていきます。ここで注意したいのは携帯電話、テレビなどのリモコン、タバコ、子供のおもちゃ、など私達がさほど気にしていなくても、 部屋のなかに転がっているものなんです。仔犬は様々な状況を認識して生活していきます。飼い主さん達が使っているものもきちんと観ているわけです。こわいですよね(笑)。ここでまず考えなくてはいけないのは、「まだ、これらのものをかじってはいけないと教えるのは、早い」ということ。どうしてもかじってしまってから、それに対ししかるということを考えてしまいますが、そうではなく2ヶ月の仔犬なのですから、「危ないものは、まわりに置かない」ということに気をつけてください。これが基本にないと、いつまでたってもうまく教えてあげることができなくなってしまいます。危ないものは手の届かないところに置いたら、ワンちゃんのかじってもよいおもちゃをいくつか用意しましょう。そして、� ��れを与えていくのですが、ここで少し工夫をしてみます。ワンちゃんが興味を引くように、最初からは渡さず、「飼い主さんがそのおもちゃで遊ぶ」ということをしてみてください。ワンちゃんは飼い主さんが楽しそうに遊んでいる姿に、興味を覚え、そのおもちゃがほしくなっていきます。ここで、「オスワリ」をさせて与えてみてください。時々、とりあげたり、追いかけたりと与えっぱなしにしないことも大切です。これで、「このおもちゃはかじったり、口にいれてもいいのだ」ということがわかっていきます。そして、そのおもちゃを片付けても、ときどき飼い主さんが手にとってながめたり、飼い主さんも興味があるということを示しておくのもいいでしょう。こうすることで、そのおもちゃは飼い主さんにとって� ��いいものなんだと理解していきます。
これをおこなったうえで、かじってはいけないということを教えていくことが大切です。次回は効果的なかじってはいけないものに対しての、対処法についてお話しますね。
ずいぶん、コラムの更新が遅れてしまって申し訳ありません。気がつけば前回からは2ヶ月も・・・。


駄々をこねる犬

前回は口に入れたり、かじられては困るものを置かないようにしてかじってよいものをうまく使うようにしながら、教えていく方法をお話しました。今回は、それでも椅子やテーブルの脚や、ドアなど片付けられないものをかじる場合や、人間の足や手をかじってくる場合についてお話しましょう。
まず、テーブルの脚やドアなどをかじる場合。この場合は「嫌悪条件付け」という方法をおこなってみましょう。つまり「かじろうとすると、怖いことが起きた」と学習させるわけです。具体的には・・・。しっかり監督できる時間に行うことが大切です。サークルから出してあそんでいるときに、椅子の脚や、テーブルの脚に近づいて、かじろうとした瞬間に大きな� �を立ててみましょう。フライパンをたたく、空き缶の中に石を入れたものを振る、なんでも良いのですが「飼い主さんがやっていることをわからないようにする」ことが大切です。飼い主さんのことを怖がってしまうことが考えられるからです。何度も言いますがこの生後2ヶ月という時期は「恐怖や不安」を覚えていく時期だからです。音をたててびっくりしてかじるのをやめたら「いい子だね」と声をかけてかじって良いおもちゃを使って遊びを続けてください。タイミングよく、1回でやめさせることが重要です。あと、もう一つの方法として、嫌な味のするものをかじっては困るものに塗っておくというのも嫌悪条件付けを応用した方法です。いずれにしてもかじってよいものを与えておかないとうまくいかないので、注意してく ださい。

次に人間の手や足をかじってくる場合です。
ワンちゃんは目の前にある動くものに対して反応してしまうことがあります。ですから手や足を「うごくおもちゃ」のように思って、かじってしまいます。そして、人間が手や足をはらったり、「だめ!」と言ったりすることが「自分に注目された」と勘違いして、ますますかじってくることになるんです。ここでは「負の罰」という方法を使ってみましょう。つまり「かじっても楽しいことはやってこない」と学習させるのです。具体的には・・・。
遊びのためにサークルから出している時に、少しでも手や足をかじってきたら、「痛い!」と大きな声を出して、部屋から出て行ってください。2〜3分経ったところで、部屋に戻って「オスワリ」「マテ」をさせ てかじってもよいおもちゃで遊んでください。もしこれを何回か繰り返しても、同様にかじってくる場合は「タイムアウト」という方法をとります。ゲージではない隔離できる場所に閉じ込めてしまうのです。押入れの一つをそのときのために空けておくのもいいでしょう。重要なのは「ケージではないところ」ということ。これは折檻部屋をケージにしないためです。ケージはあくまでも「いいところ」でないとダメだからです。閉じ込めておく時間はせいぜい5分くらい。このときいくら鳴いても、扉をガリガリしても絶対に出さないことも大切です。自分がやってはいけないことをしたから、ここに入らなければならないと思わせるためです。静かになったら出して、遊んでください。このときもかじってよいおもちゃを必� �使うことが大切です。

次回はワンちゃんの体を触ることについてです。
またまた、気がつけば2ヶ月も・・・。歳をとるとどうも時が速く過ぎてしまいますね(笑)。

今回は、「体を触っていくことのトレーニング」について。これは非常に重要です。特に、トイプードルやシーズー、シュナウザー、マルチーズ他にもそうですが、「絶対トリミングが必要」な犬種にとっては、これができないと皮膚病の原因になったり、毛玉ができて、痛みの原因になったりするからなんです。

では、具体的にどういうことをすると良いのかをお話していきます。まず、「高い台」の上に乗せるといことが大切です。トリミングテーブルも診察台も高い台の上なので、ここで体を触られることに慣れておくことで、スムーズに進むか� ��です。で、高い台の上に乗せたら「オスワリ」をさせましょう。できたらもちろん食べ物を与えます。これができるようになったら、すこし保定をするようにワンちゃんの体を抱えてみましょう。

これをおこないながら、すこしずつ食べ物をを与えます。このときあごの下を押さえる(決して、首ではなく)ことで、「頭を固定」するようにしてください。これにより、作業がおこないやすくなります。片方の腕でワンちゃんを固定したら、もう片方の手で「手グシ」をとおすようなイメージで、ゆっくりと指の腹をつかって、ワンちゃんの頭の先から、背中までを撫でていきます。これを1回やるごとに食べ物を一つ与えてください。

これを体全体に広げていきます。とくにやってほしいのが、4本の肢の先をやさしく触 ることです。これをおこなうことで、散歩に出るようになってから、肢を拭く時にもいやがらずにやらせてくれるようになります。そして、大切なことがもうひとつ。この動作を必ず、毎日行うということです。毎日おこなうことで生活の中の一つになって、理解させることができます。高い台の上に乗って、体を触られることを楽しみになること。これが大切です。

この体を触るトレーニングで絶対にやってはいけないのが「痛みを与える」ということ。強く触りすぎたり、毛がひっかかったりということで、ワンちゃんが少しでも「痛い」と感じてしまうと、これを行うことに抵抗を示してしまうことが予想されますから、十分に気をつけてくださいね。

これができるようになったら、ブラシをかけ� �ことに挑戦です。やり方は体を触ることといっしょです。最初はブラシの背でやさしくさわりながらおこなって、毛の部分でもいきなり強くはかけずに、ゆっくり力を入れないで「ブラシで触る」感じで行ってください。なれてきたら、少しずつ力をいれましょう。食べ物を与えながら行うことを忘れないでくださいね。

次回は、お外に出る準備のお話です。
さて、今回からお外に出る準備についてお話します。

まず用意していただきたいのが、「首輪」と「リード(引き綱)」です。最初からハーネス(胴輪)は使用しないでください。いろんなことを教えていくには首輪の方がうまくいくからです。
道具は使い方によって良くも悪くもなるのです。どうしても首輪は「苦しくってかわいそう」というイメー� �があるかもしれません。でも、すきまが無く(指が1本入るくらい)、ぴったりついている首輪の方が、リードから出される飼い主さんの合図に少ない力でも気づくことができるのです。それと、首輪にはもう一つの役目が。それが「飼い主さんと、自分の体を意識する」ということなんです。これがとても重要なんです。特に自分の体を意識するということは「自制」につながり、興奮しやすいとか、怖がるなどの気持ちのコントロールにうまくつなげていくことができるんです。だから首輪にはとても大切な役割があるんですよ。

ここで、首輪の種類について説明します。生後2〜3ヶ月の仔犬に使用するのであれば、長さの調節がしやすいものを選ぶといいでしょう。というのも、仔犬はどんどん成長 していきます。その日にちょうど良い首輪のサイズがありますから、調節しやすいものにしてください。あと、引っ張ると首がしまるような首輪も仔犬にはやめてください。前回の体を触るというところでもお話したように、首輪によって痛みを感じてしまうと首輪をつけることができなくなってしまいます。この2点に注意して首輪を選んでください。

首輪を用意できたら早速つけていきましょう。体を触る時のように首輪をつけたら食べ物を与えてください。最初は首を掻いたり、振ったりするかもしれません。でも、食べ物を与えながら、ボール遊びなど楽しいことを行ってください。そうすると、首輪をすることと、楽しいことが結びついていきます。一日の始まりに首輪をつけたら、夜寝るときにはずすと いうふうにしていってください。そうすると、首輪には簡単になれてしまいます。

大体お散歩ができるようになる(ワクチンの関係でお散歩の時期が決まります)1ヶ月くらい前から、首輪のトレーニングをしておくといいでしょう。

次回はリードのお話です。
さぁ、お外へ出る準備のお話を続けましょう。前回は首輪をつけるということをお話しました。今回は「リード(引き綱)」のことについて。

このリード、どうしても私達は「制御するもの」という意識でみてしまうことが多いのではないしょうか。でも、リードは「手の延長」と考えて使うことが大切なんです。そうするとうまく飼い主さんの意志が伝わりコミュニケーションがうまくいくんです。

では、その方法とは?

まず、首 輪と同様につけられることに対して、嫌なことと結びつなかいようにすることが大切です。リードをつけるときにも食べ物を与えることはもちろんですが、リードをつけて「最初から引っ張らない」ということが重要なんです。これをすると仔犬はリード=自分の動きを制御するもの、と理解してしまいリードをつけられることが嫌になってしまいます。ですから、最初は「リードをつけっぱなしにして、遊ぶ」ということをおこなってください。飼い主さんがおもちゃを持って遊ぶようにして「リードがついていてもなんともない」ということを示してください。これを3〜4日くらい行ってください。


その次はリードの端を持って、食べ物を持ちながらワンちゃんを誘導するように歩いてみましょう。このときもリードをたるませることを忘れずに。飼い主さんがワンちゃんの正面に立って、「おいで〜」と声をかけて、フード持っている手をみせてください。ワンちゃんが近くに来たら、オスワリをさせて食べ物を与えましょう。これを繰り返してリードをつけても飼い主さんの側に行くといいことがあることを理解させます。これも3〜4日続けてください。

さぁ、お部屋の練習の最後です、以上のようなことができるようになったら食べ物を手に持ちながら、リードをたるませてワンちゃんといっしょに部屋の中を歩いてみましょう。時々「オスワリ」をさせて� ��べ物を与えることを忘れずに。このくらいになったら、リードを少し引いて「合図を送る」こともやってみましょう。オスワリをさせる前に、ちょっとだけリードを引いてみましょう。そうすることで、飼い主さんに意識を持たせやすくなっていきます。

お部屋での準備ができたらいよいよ本格的なお外にでてみましょう!
次回はお外での練習についてです。
お外に出る練習が、おうちの中でできるようになったら、いよいよ本格的にお外に出てみましょう。

お外にワンちゃんを出す前に、できれば飼い主さんがおうちの回りなどをぐるっと見渡して、「拾って食べては困るもの」などをチェックしておくのもいいでしょう。そうすることで、危険を回避することもできますよ。

ここまでも、抱� �こをしてはお外にでていましたから、車や人など、見えるものの刺激や、音の刺激には慣れています。でも、実際に下に下ろしていくと新たな「においの刺激」がワンちゃんに訪れます。

ワンちゃんをお外に出したら(なるべく、人や車などが少ない時間がいいでしょう。)、いきなり「お散歩!」っていう感じではなく、「周りを確認させる」という意識を持ってください。リード(引き綱)の端を持って、ひっぱらずに、においをかいだりさせてちょっと自由にさせてみましょう。このとき、食べてはいけないようなものが無いかチェックしてくださいね。
ある程度、においをかいだりしたら、食べ物を用意して「オスワリ」をさせてみてください。おうちでももう完全にできるようになっていれば、少し時間� �かかってもうまくできるはずです。
食べ物を食べることができれば、すくなくとも、お外を怖がっているという意識は少ないということになります。

そうしたら、ゆっくりと歩いてみましょう。おうちのなかで練習したように、初めは食べ物をもちながら、誘導するようにしてみてください。ところどころで「オスワリ」をさせてもいいでしょう。

比較的うまく歩けるようになるまでは、同じコースを歩いていくほうがいいでしょう。そうすることで、においの確認も少なくて指示が入りやすくなります。同じコースで4〜5日歩いたら、少しずつ違うコースを歩いてみてください。ここで、お外を少し怖がる傾向があるワンちゃんはあまり無理をせず、食べ物を食べることができるようになる まで同じコースで歩いてみてくださいね。

他のワンちゃんや人、車などの練習については次回に!
前回からずいぶんコラムの更新がおくれてしまいました。ごめんなさい。今後はきちんと定期的に更新していきたいと思います。申し訳ありませんでした。

お外に出ても、「オスワリ」ができて食べ物も食べられるようになったら今度はお外のいろいろな刺激に対して、慣れてもらうようにトレーニングしていきましょう。

今は4月。雪も溶けて冬には無かった刺激が増えてきました。たとえば、自転車、バイクなど。あと人も他のワンちゃんも冬に比べると、多くみかけるようになります。これは練習する絶好のチャンスです。でも、ここでひとつ注意することがあります。それはこういう刺激を感じるとす でに恐怖を感じてしまっているワンちゃんには、これからお話しするトレーニングをすぐにはおこなわないでください。というのも、その恐怖感をもっと大きくしてしまう可能性があるからなんです。もし、そういうワンちゃんと一緒にくらしている飼い主さんは、僕たちのような仕事をしている獣医師に相談してみてください。その子にあった方法でうまく教えてあげるほうがいいと思います。

では、実際のトレーニングの方法を。

このワンちゃんはこれまでさまざまなことを「オスワリ」と食べ物で覚えてきました。ですから、今回も同じ方法をとって教えてみましょう。

まず、車の通りのやや多いところに出てみます。このとき少し怖がる感じがあれば、こえなどかけたりしないで、しばらくその場所に立ってい てください。動き回ったりしない方がいいでしょう。もし怖がる感じがなければ、車の通っている様子を見せながら「オスワリ」をさせてみてください。そしてすぐに食べ物をあたえましょう。このとき「マテ」はまださせないでください。これを繰り返して、車は怖くないものと感じさせてください。うまくできるようになったら、歩きながら車の通りの激しいところでも練習してみましょう。慣れてきたら「マテ」をさせたりしても大丈夫ですよ。

この車の練習と同様の方法をとると、人ごみの中でもうまく歩けるようになります。

自転車の練習は少し違います。自転車はワンちゃんのすぐ側を勢いよく通っていくので、いきなりこの経験をさせてしまうと恐怖心がついてしまうことがあるからです。
まず、おうちにある 自転車の横で(とまっている自転車です)「オスワリ」させて、食べ物をあげましょう。そしたら、誰かに協力してもらって自転車に乗ってもらいます。ワンちゃんと飼い主さんは自転車より少し離れたところで、その自転車がゆっくり通り過ぎるのを見る形でスタンバイします。この後は車の練習のように、自転車がゆっくり近づいてくる時に「オスワリ」をさせて食べ物を与えましょう。これもできるようになったら、自転車の速度をあげてもらって同様の練習をくりかえしてください。

お外にはさまざまな刺激があります。お店の旗が風でバタバタしていたり、枯葉が舞っていたり、道路工事があったり。いろいろな刺激に対して、練習してみてください。
くれぐれも、怖がっていないことを確認しながら行ってくださいね� ��

次回は他のワンちゃんとの接点をどう持つかについてです。
今回は、お外に出て他のワンちゃんとの接触をどうするかというお話しです。

もし、ご自分のワンちゃんが比較的積極的なタイプ(何事にも興味があって、近づいていくようなタイプ)であれば、他のワンちゃんとの接触はさほど問題は無いように思います。ですが、必ずワンちゃんに出会ったら、「オスワリ」をさせて会わせるつもりのワンちゃんの飼い主さんに、「合わせてもいいですか」と確認しましょう。他のワンちゃんが苦手なワンちゃんもたくさんいますので。「大丈夫ですよ」と言われたら、「ヨシ」と声をかけてにおいの確認をさせてもらいましょう。一通り確認がスムーズにできたら、遊ばせてもいいし、そのままお散歩にもどっても良いでしょう。積極的な子の場合ワンちゃんにあったら必ず「オスワ� �」をさせることを忘れないでください。そうじゃないと、ワンちゃんに出会ったら、何が何でも近づいて、確認しないといけないような子になってしまいます。注意しましょう。

さぁ、すこし消極的な子の場合を見てみましょう。この子の場合はちょっと注意が必要です。無理にワンちゃんとあわせてしまうと、他のワンちゃんのことがとても怖くなってしまうことがあります。ですから、あわせるワンちゃんをまず考えていきましょう。できれば、同じくらいの体型で、同じくらいの月齢のほうがいいでしょう。そして、同じような消極的なタイプの子がいいと思います。最初は飼い主さんに隠れていても、しだいににおいの確認などをおこなうようになっていきます。この時に、オスワリをさせて、� �きたらご褒美をあげましょう(合わせたワンちゃんにもあげてくださいね)。。これでお友達ができたら、その子と一緒にお散歩に行く回数を増やしたりしていくことで、他のワンちゃんのことをうまく認識していきます。もし、そういった協力してくれるようなワンちゃんが近くにいない場合は、焦らず、お散歩で歩いているほかのワンちゃんを「遠くから」みせて、「オスワリ」をさせて、おやつをあげましょう。これを根気強く続けることで、他のワンちゃんを認識しやすくなっていきます。そしたら、いつのまにか消極さが薄れていくのがわかると思います。こうなったら、合わせてみましょう。でも注意していてくださいね。

あと、ドッグランは危ないので、お散歩で出会うワンちゃんの数が増え� �り、他のワンちゃんとの良い経験が増えてから、いくようにしてください。
決して「犬に慣れさせるため」にドッグランには行かないでください。初めて他のワンちゃんと会うような子がランに行くと、他のワンちゃんに対して、恐怖を感じることの方が多いからです。
注意してくださいね。

次回は社会化期の次の若年期についてのお話です。
今回から、社会化期の次にくる「若年期」についてのお話です。社会化期の終わりから、性的に成熟するまでの期間を指します。


お外に出ることができるようになった時期は、すでに若年期に入っています。では、この時期の特徴はなんでしょうか?

犬はこの時期になると、体の成長が進みます。骨や筋肉などもしっかりしてきます。体の大きさも大きくなっていきます。

と、いうことはどういうことか?「必要な運動量」が増えていくということになります。生後3ヶ月で満足できた運動量でも4ヶ月になると足りなくなってしまいます。ここに気がつかないと、家の中で破壊行動が出たり、吠えたり、なんだかイライラしているように見えることもあるでしょう。これは運動量が足りないことが原因のことがあります。ですから、なるべく運動量を少しずつ増やしていくことをオススメします� ��ですが、急激に増やすと関節などと痛めることになる場合もありますから、少しずつということをお忘れなく。お散歩の時間を増やしてもいいかもしれませんし、ボール投げの時間を増やしてもいいかもしれません。

そして、次にこの若年期では「より高度な学習をできるようになる」ということも特徴だと思います。

今までは「オスワリ」「マテ」「フセ」などを同じ順番で行ってきたという方も若年期に入ったら、この順番を変えて、あえてランダムにしてみましょう。そうすることで、より「しっかり指示を聞く耳」が育っていきます。また、新しいコマンドを覚えてもらうということも行ってみてください。
例えば、「もってこい」「ツケ」など、飼い主さんの生活で「これを覚えてもらう� ��いいな」って思うことを少しずつ教えていきましょう。こういうことができるようになるの若年期の特徴です。

でも、ここで大切なことがあります。この時期の仔犬は「集中できる時間が短い」ということを理解しないといけないんです。いくら教えようとして時間をかけてもそれが嫌になってしまうこともあります。ですから、新しいことを教えるにしても最初は10分以内くらいの、短い時間でおこなってください。
また、その時間の終わりには必ず「できること」をやらせて終わりにしてください。そうじゃないと、練習することが嫌になってしまう可能性があります。

次回社会化期の仔犬にどう叱っていくかというお話しです。


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